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松戸にまつわる話

第38回 松戸にまつわる話【諏訪まゆ】

2015年3月17日

第7回 松戸トータリゼータ杯~番外編~

今回の番外編は「重鎮は語る」の巻です。

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最終日、オープニングレースで1着になりました埼玉40期、伊藤公人選手。

今開催は2.7.1という成績で締めくくりましたが、最終日まで気持ち切らさずキッチリ。
前を任せた川本選手の番手から、Hでは別線の3番手に。B通過、2センター通過…そして4コーナーも通過し、直線では後方から捲り上げてきた選手よりも最外を選択。
抜群の伸びを見せて、気持ちのいい1着!!

「川本が頑張ってくれたからギリギリまで着いて行こうと思っていたよ。最後の最後、あそこから行く、それが競輪の面白さ。」
まずファンの皆様に喜んでもらえる競走をすること、納得いく競走をすること。
そう言い切ってくれた伊藤選手。

「勝たなきゃ、勝ちたい、そう思うから余計な欲が出るんだよ。もちろん勝ちたいよ。それはそうだよ。でも、レースの前にゴチャゴチャ考えない!目の前の事に対してどうするか、だろ?」
なんだかお父さんに懇々と言われているような感覚に…(笑)

「若手選手にも必ず思うのは、頭で色々考えるまえにやってみろ!!って。やってみた感覚から、次にどうするか。それが凄く大事なんだ。」
様々な怪我で走れない時に考えが変わってきたり、ふつふつと湧き上がる気持ちがあったり。
長い選手生活の中で徐々に確立していった今の「伊藤公人流スタイル」ですが、一つ聞きたい事がありました。

自分より先輩という存在も少なくなり、叱られることも、アドバイスされることもない毎日。
もしも、今の自分に自分がアドバイスするなら??

「もう、よくやったよ。十分なんじゃないか?と言うことと、イヤ!!まだまだ!と言う気持ちもあるんだよな。」
そう言って、優しい笑顔を見せてくれました。

「でも、辞める時は自分で決めたい。人に言われて決めることじゃないから!!」
強気な言葉に胸がジーンとします。

取材中に他の選手のレースを見ながら、競輪の面白さも教えてくれ、すれ違う後輩選手に「おい!!頑張れ!!」と檄を飛ばす伊藤選手。

「筋トレはしない、柔らかく弾力のある筋肉が一番いい。それから痛みや疲れを取る治療はたくさんあるけど、自分の体が少しずつ良くなる過程を知ることも大切なんだよ。」
長年の経験を元に作り出した伊藤公人流スタイルが、58歳とは思えぬレースを見せてくれる理由かもしれません。

これからも重鎮らしい「話かけにくい」伊藤選手でいてほしいと思いました。
頭で考える前に体感する、わたしもそうしてみます!!

伊藤選手ありがとうございました。

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